○隠岐の島町職員倫理規程
平成30年1月30日
訓令第2号
(目的)
第1条 この訓令は、職員が町民全体の奉仕者であってその職務は町民から負託された公務であることにかんがみ、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な事項を定めることにより、職務の執行の公正さに対する町民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する町民の信頼を確保することを目的とする。
(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員をいう。
(2) 任命権者 地方公務員法第6条第1項に規定する任命権者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する権限の一部を委任された者を含む。)をいう。
(3) 管理職員 職員のうち、隠岐の島町職員の給与に関する条例(平成16年隠岐の島町条例第50号)第8条の2第1項の規定による管理職手当の支給を受ける職員をいう。
(4) 事業者等 法人(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。
(倫理行動規準)
第3条 職員は、地方公務員としての誇りを持ち、かつ、その使命を自覚し、次に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。
(1) 職員は、町民全体の奉仕者であり、町民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について町民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等町民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、法令等を遵守するとともに常に公正な職務の執行に当たらなければならないこと。
(2) 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならないこと。
(3) 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の町民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならないこと。
(4) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならないこと。
(5) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならないこと。
(1) 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等及び隠岐の島町行政手続条例(平成16年隠岐の島町条例第11号)第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(第2条第2項の規定により事業者等とみなされるものを除く。以下「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(2) 補助金等(隠岐の島町補助金等交付規則(平成16年隠岐の島町規則第36号)第2条第1項に規定する補助金等をいう。)を交付する事務 当該補助金等の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
(3) 立入検査、監査又は監察(法令(条例及び規則を含む。)の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人
(4) 不利益処分(行政手続法第2条第4号に規定する不利益処分及び隠岐の島町行政手続条例第2条第4号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名あて人となるべき事業者等又は特定個人
(5) 行政指導(隠岐の島町行政手続条例第2条第7号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人
(6) 町が所掌する事務のうち事業の改善及び調整に関する事務(前各号に掲げるものを除く。) 当該事業を行っている事業者等
(7) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第234条第1項に規定する契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等又は特定個人、当該契約の申込みをしている事業者等又は特定個人及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人
2 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。
3 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るため当該職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、当該職員の利害関係者であるものとみなす。
(利害関係者との間における禁止行為)
第5条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。
(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与(せん別、祝儀、香典又は供花(香典及び供花にあっては、社会通念上の儀礼の範囲を超えるものに限る。)その他これらに類するものとしてされるものを含む。)を受けること。
(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。
(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。
(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。
(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。
(6) 利害関係者から供応接待を受けること。
(7) 利害関係者と共に飲食をすること。
(8) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。
(9) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。
2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。
(1) 利害関係者から宣伝用物品又は記念品であって広く一般に配布するためのものの贈与を受けること。
(2) 多数の者が出席する立食パーティー(飲食物が提供される会合であって立食形式で行われるものをいう。以下同じ。)において、利害関係者から記念品の贈与を受けること。
(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。
(4) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること(当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。)。
(5) 職務として出席した会議その他打合せの会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。
(6) 多数の者が出席する立食パーティーにおいて、利害関係者から飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に飲食をすること。
(7) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に簡素な飲食をすること。
(8) 利害関係者と共に自己の費用を負担して飲食をすること。ただし、職務として出席した会議その他打合せのための会合の際における簡素な飲食以外の飲食(夜間におけるものに限る。)にあっては、倫理監督者(第12条に規定する倫理監督者をいう。以下同じ。)に届け出たものに限る。
3 第1項の規定の適用については、職員が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。
2 職員は、前項の公正な職務の執行に対する町民の疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては、倫理監督者に相談し、その指示に従うものとする。
3 職員は、同じ部局若しくは機関で勤務した関係又は町の機関が行った研修若しくは町から派遣されて参加した研修を同時に受けた関係がある者であって、利害関係者に該当するものと共にする飲食については、利害関係者以外の者を含む多数の者が出席する場合であって自己の飲食に要する費用を負担するときに限り、前条第1項の規定にかかわらず、これをすることができる。
(利害関係者以外との者等との間における禁止行為)
第7条 職員は利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等通常一般の社交の程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。
2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、それらの行為が行われた場所に居合わせなかった事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。
(講演等に関する規制)
第8条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(地方公務員法第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督者の承認を得なければならない。
(倫理監督者への相談)
第9条 職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合又は利害関係者との間で行う行為が第5条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合には、倫理監督者に相談するものとする。
(贈与等の報告)
第10条 管理職員は、事業者等から金銭、物品その他財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき、又は事業者等と職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬(利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬及び利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち、職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等であって職員が行うものであることを明らかにして行うものの報酬に限る。以下同じ。)の支払を受けたとき(当該贈与等を受けた時又は当該報酬の支払を受けた時において管理職員であった場合に限り、かつ、当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は、贈与等報告書(別記様式)を、当該贈与等を受けた日又は当該報酬の支払を受けた日から14日以内に任命権者に提出しなければならない。
(任命権者の責務)
第11条 任命権者は、この訓令に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(1) 贈与等報告書の受理、審査及び保存その他の職員の職務に係る倫理の保持のための体制整備を行うこと。
(2) 職員がこの訓令に違反する行為を行った場合には、厳正に対処すること。
(3) 職員がこの訓令に違反する行為について倫理監督者その他の適切な機関に通知をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けないよう配慮すること。
(4) 研修その他の施策により、職員の倫理感のかん養及び保持に努めること。
(倫理監督者)
第12条 任命権者は、職員の職務に係る倫理の保持を図るため、倫理監督者を置く。
2 倫理監督者は、総務課長とする。
3 倫理監督者は、この訓令に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
(2) 職員が特定の者と町民の疑惑や不信を招くような関係を持つことがないかどうかの確認に努め、その結果に基づき、職員の職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うこと。
(3) 任命権者を助け、職員の職務に係る倫理の保持のための体制整備を行うこと。
(4) この訓令に違反する行為があった場合にその旨を任命権者に報告すること。
4 倫理監督者は、他の職員に、この訓令に定めるその職務の一部を行わせることができる。
(職員の責務)
第13条 職員は、次に掲げる公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為を求める要求があった場合、その要求を拒否するとともに直ちにその旨を管理職員に報告しなければならない。
(1) 許認可等又は請負その他契約に関し、特定の事業者等又は特定個人に有利又は不利な取扱いをする行為
(2) 入札の公正を害する行為その他公正な契約事務の確保に関して不適切な行為
(3) 競争入札の参加資格を有する特定の業者の社会的評価を失わせる行為又はその業務を妨害するおそれのある行為
(4) 人事(職員の採用、昇任、降任、転任等をいう。)の公正を害するおそれのある行為
(5) 不利益処分に関し、その名あて人となるべき事業者等又は個人に当該不利益処分の内容及び程度を超えて有利又は不利な取扱いをする行為
(6) 寄付金、賛助金その他の名目のいかんを問わず不当な金品を供与する行為
(7) 法令等に違反して債務の全部若しくは一部の免除又は履行を猶予する行為
(8) 前各号に掲げるもののほか、法令等の規定に違反する行為等公務員としての職務に係る倫理に反する行為
2 管理職員は、職員から前項の規定による報告を受けた場合には、適法かつ公平な職務の遂行を確保するために必要な措置を講じるとともに、記録を作成しなければならない。
3 職員は、隠岐の島町不当要求行為等の防止に関する要綱(平成16年隠岐の島町訓令第27号)第2条に規定する不当要求行為等があった場合は、直ちに所属の上司及び不当要求行為等対策責任者に報告しなければならない。
4 職員は、法令(条例及び規則を含む。)に定めがある場合を除くほか、次に掲げる情報を何人に対しても提供してはならない。
(1) 町の機関内部若しくは機関相互間又は町の機関と国又は他の地方公共団体その他公共団体(以下「国等」という。)の機関との間における協議、審議、調査、研究等に関する情報であって、提供することにより、公正な職務の遂行を損ない、又は公正な町政の運営に不当な影響を及ぼすもの
(2) 町の機関又は国等の機関が行う取締り、監督、立入検査、許可、試験、入札、交渉、争訟その他の事務事業に関する情報であって、提供することにより、公正な職務の遂行を損ない、又は公正な町政の運営に不当な影響を及ぼすもの
(3) 前2号に掲げるもののほか、公正な職務の遂行を損ない、又は公正な町政の運営に不当な影響を及ぼす情報
(委任)
第14条 この訓令の施行について必要な事項は、任命権者が別に定める。
附則
この訓令は、平成30年1月30日から施行する。