○隠岐の島町情報公開条例

平成16年10月1日

条例第9号

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 行政文書の開示(第5条―第9条)

第3章 開示処理の手続(第10条―第14条)

第4章 救済手続及び情報公開審査会(第14条の2―第16条)

第5章 雑則(第17条―第23条)

附則

「まちづくり」への住民参加は「情報なくして参加なし」と言われるように、住民が必要とする情報を必要とするときに得られることが大切です。町は町民と情報を共有しながら開かれた町政を展開するため、町民への積極的な情報公開を行う必要があります。

町が保有する情報を公開することによって、町政に対する理解と認識が深められ、町民に対し開かれた「まちづくり」を推進することとなり、町民の町政に対する信頼が高められます。

また、町が保有している情報は、町政の主権者である町民の信託に基づいて作成、蓄積されたものであり、町は町民の情報の公開を求める権利を保障する責務があります。

町が保有する情報が、町民によって広く、かつ、適正に活用され、生活の向上に役立てられるように、またすべての町民に開かれた住民参加の「まちづくり」を進めるために、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、町民へ積極的な情報公開を行うことによって、町民の知る権利を保障し町政の諸活動を町民に説明する責務を果たすとともに、町政に対する信頼と理解を深めることにより、もって開かれたまちづくりの推進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 町長、議会、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいう。

(2) 行政文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録から出力又は採録され文書化されたものであって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして保有しているものをいう。ただし、公開することを目的として発行されているものを除く。

(3) 行政文書の開示 実施機関が次章に定めるところにより、行政文書を閲覧に供し、又は行政文書の写しを交付することをいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、行政文書の開示を求める町民の権利が保障されるよう努めなければならない。この場合において、実施機関は、個人に関する情報が十分に保護されるよう最大限の配慮をしなければならない。

(利用者の責務)

第4条 行政文書の開示を請求する者は、この条例の目的に即して権利を正当に行使するとともに、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。

2 行政文書の任意の公開を申し出る者は、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。

第2章 行政文書の開示

(開示請求)

第5条 次の各号に掲げる者は、実施機関に対し行政文書の開示を請求することができる。ただし、第5号に掲げる者にあっては、その者の有する利害関係に係る行政文書の開示に限り請求することができる。

(1) 町の区域内に住所を有する者

(2) 町の区域内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(3) 町の区域内に存する事務所又は事業所に勤務する者

(4) 町の区域内に存する学校に在学する者

(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に具体的に利害関係を有する者

2 前項の規定による行政文書の開示の請求(以下「開示請求」という。)は、実施機関が別に定める事項を記載した書面を実施機関に提出して行わなければならない。ただし、実施機関が別に定める行政文書の開示請求は、口頭で行うことができる。

(開示義務)

第6条 実施機関は、開示請求があったときは、次条に規定する非開示等の場合を除き、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、当該開示請求に係る行政文書を開示しなければならない。

(非開示情報)

第7条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「非開示情報」という。)が記録されているときは、当該行政文書を開示しないことができる。

(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定により、公開することができない情報

(2) 個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は他の情報と照合することにより識別され得る情報。ただし、事業を営む個人の当該事業に関する情報及び次に掲げる情報は、除くものとする。

 法令等の規定により、又は慣行として公開されている情報及び公開することが予定されている情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することがより必要であると認められる情報

 実施機関の職員の職務遂行に係る情報に含まれる当該職員の職に関する情報

(3) 法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人その他の団体又は事業を営む個人に明らかに不利益を与え、又は与えると認められる情報。ただし、国及び地方公共団体に関する情報並びに次に掲げる情報は、除くものとする。

 違法又は不当な事業活動から町民の生活を保護するため、公開することが必要と認められる情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要と認められる情報

 その他、公開することが公益上必要と認められる情報

(4) 公開することにより、人の生命、健康、生活、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、行政上の取締り及びその他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずると認められる情報

(5) 町又は国等の事務事業に係る意思形成過程において、町の機関内部若しくは機関相互間又は町の機関と国等の機関における審議、協議、調査、試験、研究等に関し、実施機関が作成し又は取得した情報であって、公開することにより当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る公正かつ適正な意思形成に著しく支障が生ずると認められる情報

(6) 第三者が実施機関の要請を受けて、公開しないとの条件で任意に提供した情報であって、公開することにより当該第三者との協力関係又は信頼関係が不当に損なわれることになると認められる情報。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要と認められる情報は除く。

(7) 実施機関又は国若しくは他の地方公共団体が行う事務事業に係る情報であって、公開することにより、事務事業の性質上、当該事務事業の適正な遂行に支障が生ずると認められる情報

(8) 実施機関の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議機関等」という。)の会議に係る情報であって、当該審議機関等の規定又は議決等により全部又は一部を公開しない旨を定めている情報及び公開することにより公正又は円滑な議事運営が著しく損なわれると認められる情報

(部分開示)

第8条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の一部に非開示情報が記録されている場合において、非開示情報が記録されている部分とそれ以外の部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対しその部分を除いて、当該行政文書を開示しなければならない。ただし、非開示情報が記録された部分を除いた部分に、有意な情報が記録されていないと認められるときはこの限りでない。

(存否に関する情報)

第9条 実施機関は、開示請求者に当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで非開示情報を開示することになるときは、当該行政文書の存否を明らかにしないで当該開示請求を拒否することができる。

第3章 開示処理の手続

(開示請求に対する措置)

第10条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部又は一部を開示するときは、その旨を決定し、開示請求者に対し速やかに当該決定の内容を書面により通知しなければならない。ただし、第5条第2項のただし書に規定する行政文書の全部を開示する決定は、口頭で通知することができる。

2 実施機関は、開示請求に係る行政文書の全部を開示しないとき、前条の規定により請求を拒否するとき、又は開示請求に係る行政文書が存在しないときは、その旨を決定し、開示請求者に対し当該決定の内容を書面により通知しなければならない。

3 実施機関は、前2項の規定により開示請求に係る行政文書の全部を開示する旨の決定以外の決定をした場合の通知には、その理由を明示しなければならない。この場合において、当該決定をした行政文書が非開示情報に該当しなくなる時期をあらかじめ明示することができるときは、その時期を併せて記載しなければならない。

(開示決定等の期限)

第11条 実施機関は、前条第1項及び第2項の決定(以下「開示決定等」という。)を行うときは、開示請求書を受理した日から起算して14日以内に行わなければならない。

2 実施機関は、事務処理上の困難その他の正当な理由により、前項に規定する期間内に開示決定等を行うことができないときは、必要な限度において当該期間を延長することができる。この場合において、実施機関は開示請求者に対し速やかに延長の期間及び理由等を書面により通知しなければならない。

(第三者に対する意見聴取)

第12条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に町及び開示請求者以外の者(以下この条において「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において、必要があると認めるときは、開示決定等に先立ち当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る行政文書の名称その他必要な事項を通知して意見を聴くことができる。

2 実施機関は、前項の意見を求められた第三者が当該行政文書の開示に反対の意思を表した場合において、第10条第1項の決定(以下「開示決定」という。)をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に、少なくとも14日間を置かなければならない。この場合において、実施機関は開示決定後直ちに当該第三者に対し開示決定した旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。

(開示の実施)

第13条 実施機関は、開示決定を行った場合は、開示請求者に対して、速やかに当該行政文書の開示を行わなければならない。

2 行政文書の開示は、実施機関が指定する日時及び場所において行う。ただし、郵送等の方法により行政文書の写しを交付する場合にあっては、この限りでない。

3 実施機関は、行政文書を直接閲覧に供することにより、当該行政文書を汚損し、又は破損するおそれがあるとき、その他相当な理由があるときは、当該行政文書に代えてその写しを閲覧に供することができる。

(開示の費用)

第14条 行政文書の開示のうち閲覧に係る費用は無料とする。ただし、写しの交付に係る費用は、開示請求者の負担とする。

第4章 救済手続及び情報公開審査会

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第14条の2 開示決定等又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審査請求があった場合の手続)

第15条 実施機関は、開示決定等又は開示請求に係る不作為について、行政不服審査法の規定に基づく審査請求があった場合は、当該審査請求が明らかに不適法である場合を除き、遅滞なく隠岐の島町情報公開審査会に諮問しなければならない。

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 実施機関は、当該審査請求に対する裁決を行うときは、第1項の規定による諮問に対する答申を最大限に尊重しなければならない。

(隠岐の島町情報公開審査会)

第16条 前条第1項に規定する審査請求について審議するため、及び情報公開制度の重要事項を調査審議するため、隠岐の島町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、委員10人をもって組織する。

3 委員は、情報公開制度に関し優れた識見を有し、かつ、公正な判断をなし得る者のうちから町長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 審査会は、必要があると認めるときは、審査請求人、実施機関の職員又はその他の関係者(以下「審理関係人」という。)に対して出席を求め、その意見若しくは説明を聴き、又は必要な調査をすることができる。

6 審査会は、審理関係人から申立てがあったときは、当該審理関係人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会がその必要がないと認めるときは、この限りでない。

7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

8 委員に報酬及び費用弁償を支給する。

9 報酬及び費用弁償の額並びにその支給方法は、隠岐の島町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成16年隠岐の島町条例第44号)の定めるところによる。

10 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定める。

第5章 雑則

(任意的公開)

第17条 実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合には、行政文書の任意の公開(以下「任意的公開」という。)に応ずるよう努めるものとする。

(1) 第5条第1項各号に掲げる者以外の者から行政文書の公開の申出があった場合

(2) この条例の施行日前に作成し、又は取得した行政文書の公開の申出があった場合

2 前項各号に規定する公開の申出(以下「任意的公開申出」という。)は、実施機関が別に定める事項を記載した書面(以下「任意的公開申出書」という。)を実施機関に提出して行わなければならない。

3 実施機関は、任意的公開に応じるか否かの決定(以下「任意的公開決定等」という。)をしたときは、任意的公開の申出をした者(以下「任意的公開申出者」という。)に対し、当該決定の内容を書面により通知しなければならない。

4 任意的公開に係る非公開情報、部分公開、公開決定等の期限、第三者の意見聴取、公開の実施及び公開の費用については、第7条第8条第11条第12条第13条及び第14条の規定を準用する。この場合において、「開示請求」とあるのは「任意的公開申出」と、「開示」とあるのは「任意的公開」と、「開示請求者」とあるのは「任意的公開申出者」と、「前条第1項及び第2項の決定(以下「開示決定等」という。)」とあるのは「任意的公開決定等」と、「開示請求書」とあるのは「任意的公開申出書」と、「第10条第1項の決定(以下「開示決定」という。)」とあるのは「任意的公開に応じる決定(以下「任意的公開決定」という。)」と読み替える。

(出資法人等の情報公開)

第18条 町が資本金、基本財産又はこれらに類するものの2分の1以上の額を出資している法人及び団体(以下「出資法人等」という。)は、その管理する情報の公開に努めなければならない。

(指定管理者の情報公開)

第18条の2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者をいう。)は、この条例の趣旨にのっとり、その管理する公の施設(同法第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の情報の公開を行うために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 実施機関は、前項の情報の公開が推進されるよう必要な施策を講ずるものとする。

(行政文書の管理)

第19条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、行政文書の適正管理を行わなければならない。

2 実施機関は、行政文書の管理に関する定めを整えるとともに、行政文書の検索に必要な資料を作成し、一般の閲覧に供するものとする。

(他の法令との調整)

第20条 この条例の規定は、他の法令等の規定により行政文書の閲覧若しくは縦覧又は行政文書の謄本、抄本等の交付を受けることができる場合においては、適用しない。

(情報の提供)

第21条 実施機関は、この条例に基づく行政文書の開示に併せて、町政に関する情報を町民に積極的に提供するよう努めるものとする。

第22条 町長は、毎年1回実施機関における行政文書の開示の実施状況を取りまとめ、これを公表するものとする。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成16年10月1日から施行する。

(適用)

2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に実施機関が作成し、又は取得した行政情報について適用する。

3 前項の規定にかかわらず、この条例は、合併前の西郷町、布施村、五箇村、都万村及び島後町村組合から承継された行政情報(次項及び第5項においてこれらを「承継行政情報」という。)については、適用しない。

(承継行政情報の任意的公開)

4 実施機関は、承継行政情報の公開の申出があったときは、これに応ずるよう努めるものとする。

5 第13条の規定は、前項の規定による承継行政情報の公開について準用する。

(経過措置)

6 施行日の前日までに、合併前の西郷町情報公開条例(平成14年西郷町条例第31号)、布施村情報公開条例(平成16年布施村条例第26号)五箇村公文書公開条例(平成11年五箇村条例第22号)又は都万村情報公開条例(平成12年都万村条例第51号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成17年10月6日条例第76号)

この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(平成27年12月21日条例第39号)

(施行期日)

1 この条例は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例による改正後の規定は、この条例の施行の日以後にされる開示決定等又は開示請求に係る不作為に係るものついて適用し、同日前にされた開示決定等又は開示請求に係る不作為に係るものについては、なお従前の例による。

隠岐の島町情報公開条例

平成16年10月1日 条例第9号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第4節 情報の公開・保護等
沿革情報
平成16年10月1日 条例第9号
平成17年10月6日 条例第76号
平成27年12月21日 条例第39号