隠岐の島町

町長所信表明

 所信表明

 私は、10月18日に執行されました隠岐の島町長選挙において多くの皆様の力強いご支持と温かいご支援を賜り、再度、町政を担わせていただくこととなりました。今、この場に立ちまして、その重責に、改めて身の引き締まる思いで一杯であります。

 私は、就任一期目当初から一貫して「隠岐の島が好きだから」との思いを新しいまちづくりによせ、『「良かった」が響くまち 隠岐の島』を目標に、3つの「良かった」の実現を目指し、その取り組みを進めてまいりました。この思いは、今も私の根幹にございまして、これからも『「良かった」が響くまち』 の実現を目標にあらゆる政治判断を行ってまいりたい、そのように考えております。

  誰もが胸を張って「好きだから」と言える町の実現を目指し、町の歩むべき道を定め、政治の方向がぶれない、10年20年先を見越したまちづくりをしなければならない、そして、限られた財源を有効に活用し、施策の取捨選択を徹底し、必要な施策には、十分に予算配分するなど、あらゆる角度から検証、検討を進め、次世代へつなげるための大胆な施策を展開してまいる所存であります。

 まず、優先して実施しなければならないのが、新型コロナウイルス感染症への対応であります。わが町の経済も多分に漏れず、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業者の皆様も大きな痛手を被り、事業存続が厳しい状況に陥りました。
 本町におきましては、雇用の確保、経済サイクルの維持、確保の観点から、事業者の皆様の事業継続をいち早く支援するため、国や県の施策の活用は、当然のことながら、細部にわたりその効果が表れるよう、事業の継続、雇用の確保を念頭に、本町独自の支援策を講じ、事業の継続をお願いしているところでございます。

 今後も、引き続き、関係機関、関係団体の皆様と町の経済の動向や状況分析を行いながら、子どもから高齢者まで、町民の皆様が安心して暮らせるよう、先手先手の施策を展開してまいります。

  そのうえで、将来を見据え、「3つの良かったが響くまち」の実現に向け、重要施策に取り組む所存であります。

  まず、1点目は、「生まれてよかった」の実現に向けての取り組みについてであります。
 わが町の大きな課題のひとつに、人口減少問題があり、その要因は、若い世代の減少や急速な高齢化によるものであります。
 この問題の解決には、この町に住む私たちが、問題意識をしっかりと共有し、いきいきと楽しく、希望を持ちながら、いつまでも変わりなく、日々生活できる新しい町づくりの構築が必要だと考えております。そのためには、子育て支援や健康寿命の延伸等高齢者対策、そして、子どもから大人まで誰もが自由に学び、学びを実践できるよう、学校教育、社会教育の充実に努めなくてはなりません。

 そこで、以下のことについて新たな取り組みを進めてまいります。

  子育て支援につきましては、このコロナ禍において、子育てにかかる相談窓口の開設や同じ子育て環境にある皆様の交流の場の設置、さらに、子どもたちを気兼ねなく安心して預けられる場所の提供等、その環境整備が強く求められています。
 子育て中のお母さん、お父さんが、この町で日々穏やかな生活がおくれることや安心して働いていただけるよう、子育ての拠点施設としての「子育てビジター交流センター」の整備の早期実現に向け議論を進めてまいります。

  健康寿命の延伸につきましては、多種多様な就労の場において、元気な高齢者が活躍できるよう、関係機関と連携し、個々のライフスタイルにあわせて働くことのできる仕組みづくりやシルバー人材センターの更なる充実を図り、地域で高齢者が活躍できるよう支援策を講じてまいります。また、誰もが文化・スポーツを楽しんでいただけるよう、その機会や情報の提供を積極的に進めてまいります。

 教育行政の推進についてでありますが、本町の宝である子どもたちが郷土を愛し、この町の将来に希望を持つことが、50年先100年先までもこの町を存続させる大きな力となると考えております。そのためには、学校・家庭・地域がその目標を共有し、協働を図りながら本町の教育を高めていくことが重要であります。
 この町で永く育まれた独特の文化や芸能、さらには、大山隠岐国立公園、隠岐ユネスコ世界ジオパークなどを組み合わせ、幼いころから、隠岐の島を知るためのふるさと教育を実践することで、ふるさとを誇りに思い、ふるさとを愛し、ふるさとに戻る人、他の地域からふるさとを支援してくれる人、そして、どこにいてもふるさとの情報を発信してくれる人など本町を支えていただく人材のネットワークが創出できるよう、教育を進めてまいります。
 また、国のGIGAスクール構想に沿ったICTの活用が十分にできるよう、ソフト面、ハード面一体となった教育環境の構築にも力を注いでまいります。

  2点目は、「住んで良かった」の実現に向けての取り組みについてであります。

  「住んで良かった」を感じるのは、誰もが住み慣れた地域で日々安心して暮らせる町の構築であります。
 
高齢化率が年々高くなり、離島でもあるこの町におきましては、医療・介護・福祉の連携、そして、地域医療の存続が最重要課題であり、医療、介護、福祉に携わるスタッフ不足も大きな問題となっております。

 本町におきましては、隠岐病院、町立診療所の医師を確保することが困難を極める状況となっておりますが、島根県の強力な支援をいただきながら、何とか現状を維持することができております。また、医療スタッフの育成という観点からは、町内の県立高校、県内の大学等と連携し、継続した事業に取り組んでおります。
 隠岐病院、町立診療所等の維持は、この町を守る意味からも大きな課題であり、どのような体制で地域医療を守っていくのか、どのようにすれば医療スタッフを確保できるのかを関係機関、関係団体と十分に連携し、早急にその方向性を定めてまいります。

  次に、取り組まなければならないのが、防災・減災への対策であります。

  昨今の異常気象については、想定を超える大型で猛烈な台風の発生、全国各地で起きている地震や未だかつて経験したことのない記録的な豪雨など、いつ、どこで、どのような災害が起きても不思議ではない状況にあります。
 その備えとして、隠岐の島町地域防災計画の周知徹底を図り、社会情勢の変化に対応した見直しを随時実施し、町民の皆様への情報提供等地域防災力の向上に向け、防災・減災体制の強化を図ってまいります。
 一方、離島である本町において、空港、港湾は、救援物資の輸送や避難体制の整備に、極めて重要な施設であります。また、県道や町道には、緊急輸送道路に指定されているにも関わらず、狭隘な未整備区間もあることから早期の解消が必要であると認識しております。
 特に、西郷港周辺の玄関口整備につきましては、官民一体となって議論を深め、ターミナル機能や防災・減災力を含めた総合的なビジョンを掲げ、順次事業を進めていかなくてはなりません。

  これら事業の推進につきましては、国及び島根県の支援、そして、大きな予算の確保が必要となります。私は、これら事業の早期整備のため、町民の皆様と議論することはもちろんのこと、国や島根県に対しましても精力的に意見交換や要望活動を行い、一刻も早く整備に取り掛かれるよう、重点的に取り組んでまいります。
 さらに、災害時の対応策として、自助、共助、公助の役割を明確にし、要配慮者支援などを含めた、地域活動のより一層の支援に取り組んでまいります。
 また、個々の町民の皆様の防災意識は、高まりつつありますが、自主防災組織の設立など地域での取り組みには、地域間格差があり、今後、どの地域においても減災への対応ができるよう、防災研修会の開催、地域リーダーの育成など支援策を講じ、安心、安全な町づくりを目指してまいります。

 次に、産業の振興であります。

  産業振興につきましては、本町の特色ある地場産業の振興を通じ、雇用の安定、人材の確保につなげてまいります。
 本町の基幹産業であります農林水産業の活性化については、町内産農林水産物の高付加価値化を推進し、その魅力を町内外に向けて発信することにより、町の特産品としての価値を高めてまいります。

  農業においては、島根県、JAなど関係機関との連携により新たな振興作物の開発、荒廃農地の再利用に向けた対策を講じ、林業においては、森林環境譲与税を十分に活用し、林地所有者や林業関係者の皆様と協議を進め、意欲のある林業経営者に林地の集積、集約化することで林業の成長と適切な森林管理に努めてまいります。

  水産業においては、磯根資源の確保や新たに必要となる漁業施設や既存の施設の再整備に努め、漁業者の皆様が安心して操業できる環境づくりを進めてまいります。また、大きな課題であります、本町における鮮魚等の流通システムの構築については、島根県やJFなど関係機関との連携強化に努め、安定的に隠岐島産の海産物を提供できるよう、積極的に関わってまいります。

  そして、「特定有人国境離島地域社会維持推進交付金」や「特定地域づくり事業」等を活用し、人材育成、人材確保の観点からも新たな仕組みづくりを構築してまいります。

 次に、3点目の「訪れて良かった」の実現に向けての取り組みについてであります。

  本町を賑わすのは、いろいろな人との交流と住んでいる私たちの生活の充実だと思います。そのうえで、観光、交流を通した関係人口の創出が必要となります。

 この度の新型コロナウイルス感染症の発生により、国内、国外を問わず人の移動が大きく制限され、本町への人の流れも限定されたことで、関係事業者の皆様は、大きな打撃を受けております。
 このような状況下にありましても、本町の事業者の皆様は、国や県、そして、町単独の支援制度などを活用していただき、事業継続はもちろんのこと雇用の確保にも積極的に取り組んでいただいております。

  言うまでもなく本町は、大山隠岐国立公園、隠岐ユネスコ世界ジオパークとして、自然、歴史、文化、芸能など、十分すぎるアイテムを兼ね備えており、観光需要の回復に向けた政策に、いち早く取り組まなければなりません。
 また、東京一極集中の分散化、サテライト事務所の設置、家庭での勤務体制の構築等企業の事業推進にも大きな変化が生じています。さらには、都会から恵まれた自然環境や独特の文化を備えている地方へ目が向く、大きな変革も起きています。
 このような状況を好機ととらえ、本町とかかわりが深い、航空業界やアウトドア関連企業、日本を代表するアスリート団体、そして、本町と親交のある自治体ともさらに連携を強化し、国内外へのプロモーション活動の充実を図るなど、新たな関係人口の創出に向けた取り組みを展開してまいります。
 また、訪れる方々をお迎えする西郷港周辺の整備につきましては、町民の皆様や関係機関との議論を深めながら、早期の実現に向け取り組みを加速してまいります。

  最後に竹島領土権確立への取り組みであります。

  国におきましては、内閣官房の領土・主権対策企画調整室が中心となり、国民への啓発や国際社会への情報発信など行っていただいております。また、島根県におきましても、第4期の竹島問題研究会を設置していただき、より積極的な活動を展開していただているところでありますが、残念ながら問題の解決の糸口さえ見えない状況にあります。

 本町におきましては、問題解決に向け、一歩でも前進するよう、独自に竹島の調査研究を進め、貴重な資料の保存活用に積極的に取り組んでまいります。また、国の責務において、竹島漁撈歴史記念館(仮称)の建設や隠岐島周辺の保安体制の充実を強く訴えてまいります。

  以上、私の町政運営に関する基本的な考え方を述べさせていただきました。

 地方創生が叫ばれる中、新たな総合振興計画を柱に、SDGsによる持続可能な町づくりに向け、様々な戦略やスピード感を持った実践を進めてまいる所存であります。

  新たに取り組むもの、継続すべきもの、廃止すべきもの等大胆に事業計画を見直し、将来の町づくりのために実施すべき事業を的確に判断し、町民の皆様のご理解のもと、国や島根県、近隣の自治体、関係機関、関係団体、そして、町内の事業所の皆様と十分に連携を図り、「チーム隠岐の島」を合言葉に職員一丸となって取り組むことをお約束いたします。

  当然のことながら、これら施策の推進にあたりましては、私一人では到底不可能でございます。改めまして、課せられた重責を厳粛に受け止め、心を新たに公約の実現に向け邁進し、全身全霊取り組んでまいりますので、議会並びに関係機関の皆様方、そして町民の皆様方のより一層のご指導とご鞭撻を心からお願い申し上げ、就任にあたりましての所信表明とさせていただきます。

令和2年12月10日

隠岐の島町長 池田高世偉


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