隠岐の島町教育委員会が隠岐国分寺境内(隠岐の島町池田)で行っている発掘調査により、奈良時代の隠岐国分寺の大型建物跡(経楼か鐘楼)と境内を囲っていた築地塀の一部と考えられる遺構を確認しました。

1.これまでの経緯について
・平成19年02月…隠岐国分寺本堂が火災により焼失。
・平成21年09月…本堂の再建予定地で隠岐の島町教委による発掘調査開始。
・平成22年12月…一直線上に並ぶ根巻き瓦柱穴4基を検出。
・平成23年10月…国庫補助を受け確認調査を開始。
・平成24年11月…根巻き瓦柱穴が9×5間(27×15m)の配置であることが判明し、古代隠岐
国分寺の金堂基壇跡と考えられます。
・平成25年11月…古代隠岐国分寺の経楼(経文を納める建物)あるいは鐘楼(鐘つき堂)のも
のと思われる大型建物跡と、築地塀と考えられる盛土遺構を確認。
2.今回の発掘調査の成果
・遺構の状況…境内西端の調査区で、平面方形の柱穴を4箇所確認した。柱穴はそれぞれが
3mの等間隔で並ぶ総柱の建物跡。
・また、同じ調査区の西端で、築地塀の基礎部分と考えられる盛土を検出。現在、調査区を広げ
て確認調査を実施中。
・このほかにも、縁辺部では古代の造成の様子や旧地形の様子を確認しており、元の丘陵地
形を利用した境内の実態が明らかになりつつあります。
3.意義について
・隠岐国分寺の伽藍(例:金堂、塔、講堂、鐘楼、経楼(経蔵)、僧房、食堂)のうち、2つの建物
跡を確認できました。
・隠岐国分寺の中心域の様子が少しずつ明らかになっています。
・島根県内の古代寺院跡において、発掘調査で経楼あるいは鐘楼の遺構が発見されたのは、
島根県内で初めてとなります。
4.現地説明会の開催について
・日 時 : 平成25年12月7日(土)10:00~11:30
・場 所 : 隠岐郡隠岐の島町池田 隠岐国分寺境内(発掘調査現地)
・内 容 : 現地で発掘された遺構の説明
※今後、追加調査をして保護のため埋め戻しますので、発掘遺構を公開する説明会は今回限り
となります。
5.今後の調査計画について
・隠岐の島町教育委員会は、遺跡の範囲や内容を明らかにするため、引き続いて調査を進め
ます。
・発掘を伴う調査は今年度で終了します。
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