○隠岐の島町債権管理条例
令和2年6月26日
条例第25号
(目的)
第1条 この条例は、町の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、当該事務の一層の適正化及び効率化を図り、もって公正かつ円滑な行財政運営に資することを目的とする。
(1) 町の債権 金銭の給付を目的とする町の権利をいう。
(2) 強制徴収債権 町の債権のうち、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係るもの及び法令の規定に基づき国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。
(3) 非強制徴収債権 町の債権のうち、強制徴収債権以外のものをいう。
(他の法令等との関係)
第3条 町の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例(以下「法令等」という。)若しくはこれらに基づく規則等(町長の定める規則及び地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する企業管理規程をいう。以下同じ。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(町長等の責務)
第4条 町長及び公営企業管理者(以下「町長等」という。)は、法令等及び規則等の定めるところにより、町の債権を適正に管理しなければならない。
(台帳の整備)
第5条 町長等は、町の債権を適正に管理するため、規則等で定める事項を記載した台帳(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録を含む。)を整備しなければならない。ただし、当該町の債権の性質上特にその必要がないと認められるときは、この限りでない。
(庁内の情報共有)
第6条 町長等は、履行期限までに履行されない町の債権がある場合において、当該町の債権について、第8条、第9条若しくは第11条から第15条までの規定又はこれらの規定に相当する法令等の規定に基づく措置若しくは処分(以下この項において「措置等」という。)を行おうとするときは、その判断に資すると認める限りにおいて、その措置等に係る債務者の当該町の債権以外の町の債権に係る滞納の有無(滞納がある場合は、その滞納している額を含む。)及び町長等が行った措置等の情報を同一の実施機関(隠岐の島町個人情報保護法施行条例(令和5年隠岐の島町条例第1号)第2条第2項に規定する実施機関をいう。以下この条において同じ。)内において利用し、又は他の実施機関に提供することができる。ただし、地方税法第22条に規定する秘密(以下この条において「税務調査情報」という。)を同一の実施機関内において利用し、又は他の実施機関に提供することはできない。
2 履行期限までに履行されない町の債権が強制徴収債権である場合又は債務者の税務調査情報開示の同意がある場合は、前項ただし書の規定にかかわらず税務調査情報を同一の実施機関内において利用し、又は他の実施機関に提供することができる。
3 第1項に規定する場合において、当該債務者の所在が明らかでないときは、町長等は、当該町の債権以外の債権に関して保有する当該債務者の氏名及び生年月日並びに住所、電話番号その他当該債務者との連絡に必要な情報を同一の実施機関内において利用し、又は他の実施機関に提供することができる。
(督促)
第7条 町長等は、町の債権について、履行期限までに履行しない債務者があるときは、法令等の定めるところにより、期限を指定してこれを督促しなければならない。
(滞納処分等)
第8条 町長等は強制徴収債権の滞納処分並びに徴収猶予、換価の猶予及び滞納処分の停止については、法令等の定めるところによりこれを行わなければならない。
(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証がある非強制徴収債権を含む。)については、当該非強制徴収債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義のある非強制徴収債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第10条 町長等は、町の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第13条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第11条 町長等は、町の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により町が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、町長等は、町の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第12条 町長等は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。
(2) 債務者の住所が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
(履行延期の特約等)
第13条 町長等は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該非強制徴収債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る非強制徴収債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
(免除)
第14条 町長等は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした非強制徴収債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該非強制徴収債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
(債権の放棄)
第15条 町長等は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当するときは、当該非強制徴収債権及びこれに係る損害賠償金等の全部又は一部を放棄することができる。
(1) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により債務者が当該非強制徴収債権につきその責任を免れたとき。
(3) 第12条に規定する徴収停止の措置をとった場合において、徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、債務の履行の見込みがないと認められるとき。
(4) 債務者が死亡し、その相続について限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける町の債権及び町以外の者の権利の金額の合計を超えないと見込まれるとき。
(5) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の適用を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、債務の履行の見込みがないと認められるとき。
(6) 債務者が失踪、所在不明その他これに準ずる事情にあり、徴収の見込みがないとき。
(7) 当該非強制徴収債権(時効消滅について時効の援用を要しない非強制徴収債権を除く。)について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき(債務者が時効の援用をしない特別の理由があるときを除く。)。
(8) 当該債権の存在につき法律上の争いがある場合において、町長等が勝訴の見込みがないものと決定したとき。
2 町長等は、前項の規定により非強制徴収債権を放棄したときは、これを議会に報告しなければならない。
(委任)
第16条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この条例は、令和2年7月1日から施行する。
附則(令和5年3月17日条例第12号)
この条例は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。