○隠岐の島町避難行動要支援者名簿に関する条例

平成27年3月18日

条例第29号

(目的)

第1条 この条例は、避難行動要支援者に対する避難支援等を実施するための基礎となる名簿の作成及び避難支援等関係者への提供に関し必要な事項を定めることにより、避難支援等関係者による災害時の円滑かつ迅速な避難支援等の実施を支援し、もって避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 避難行動要支援者 高齢者、障がい者、乳幼児その他の特に配慮を要する者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要する者をいう。

(2) 避難支援等 避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置をいう。

(3) 避難支援等関係者 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第49条の11第2項に規定するもので、次に定めるものをいう。

 隠岐広域連合消防本部

 隠岐の島警察署

 隠岐の島町民生児童委員協議会

 社会福祉法人隠岐の島町社会福祉協議会

 自主防災組織その他避難支援等の実施に携わる関係者

(避難行動要支援者の範囲)

第3条 避難行動要支援者の範囲は、在宅生活者であって、次の各号に掲げる者とする。

(1) 単身の世帯に属する65歳以上の者であって、次のいずれかの要件に該当する者

 介護保険法(平成9年法律第123号)第19条第1項の規定による要介護認定を受けていて、当該要介護認定に係る要介護状態区分が要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年厚生省令第58号)第1条第1項に規定する要介護1又は要介護2のいずれかであること。

 介護保険法第19条第2項の規定による要支援認定を受けていて、当該要支援認定に係る要支援状態区分が要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令第2条第1項に規定する要支援1又は要支援2のいずれかであること。

(2) 介護保険法第19条第1項の規定による要介護認定を受けていて、当該要介護認定に係る要介護状態区分が要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令第1条第1項に規定する要介護3、要介護4又は要介護5のいずれかである者

(3) 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条第4項及び身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)第5条の規定により身体障害者手帳の交付を受けている者のうち、別表に定める障がいの種別及び等級の障がいにある者

(4) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第45条第2項の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者のうち、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令(昭和25年政令第155号)第6条第3項に規定する障がいの等級が1級である者

(5) 療育手帳(児童相談所又は知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第12条に規定する知的障がい者更生相談所において知的障がいと判定された者に対して交付される手帳で、その者の障がいの程度その他の事項の記載があるものをいう。)の交付を受けている者であって、その障がいの程度がAである者

(6) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第4条第1項に規定する障がい者で治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって、政令で定めるものによる障がいの程度が厚生労働大臣が定める程度である者のうち18歳以上である者

(7) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5の規定により島根県が実施する小児慢性特定疾患治療研究事業の対象者のうち、小児慢性特定疾患医療受給者証の交付を受けている者であって、重症患者の認定を受けている者

(8) その他町長が必要と認める者

(避難行動要支援者名簿の作成)

第4条 町長は、避難行動要支援者に対する避難支援等が円滑に行われるよう必要な体制を整備するため、避難行動要支援者について避難支援等を実施するための基礎とする名簿(以下「避難行動要支援者名簿」という。)を作成するものとする。

2 避難行動要支援者名簿には、避難行動要支援者に関する次に掲げる事項を記載するものとする。

(1) 氏名

(2) 生年月日

(3) 性別

(4) 住所又は居所

(5) 電話番号その他の連絡先

(6) 避難支援等を必要とする理由

3 町長は、避難行動要支援者名簿の記載事項について、正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない。

(名簿情報の提供)

第5条 町長は、災害の発生に備え、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者に対し、前条第1項の規定により作成した避難行動要支援者名簿に記載し、又は記録された情報(以下「名簿情報」という。)を提供することができるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、町長は、避難行動要支援者が、規則で定める方法により、名簿情報の提供の拒否を申し出たときは、当該避難行動要支援者に係る名簿情報の提供をすることができない。

3 町長は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために特に必要があると認めるときは、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者その他の者に対し、名簿情報を提供することができる。この場合において、前項の規定は、適用しない。

(名簿情報の取り扱い)

第6条 前条第1項の規定により名簿情報の提供を受けようとする避難支援等関係者は、申請時に名簿情報の取り扱いについて誓約書を提出し、名簿情報の取り扱いについて適切な管理のために必要かつ適切な措置を講ずるものとする。

2 町長は、前項の措置が遵守されているかどうかを確認するため必要があると認めるときは、避難支援等関係者から、提供した名簿情報の管理に関して報告を求め、又は提供した名簿情報の管理の状況を検査することができる。

(名簿情報の漏えいの防止措置)

第7条 第5条第1項の規定により名簿情報の提供を受けた者は、当該提供を受けた名簿情報の漏えいの防止のために必要かつ適切な措置を講ずるものとする。

(利用及び提供の制限)

第8条 第5条第1項又は第3項の規定により名簿情報の提供を受けた者は、避難支援等の用に供する目的以外の目的のために、当該名簿情報を自ら利用し、又は当該名簿情報の提供を受けた者以外のものに提供してはならない。

(守秘義務)

第9条 第5条第1項又は第3項の規定により名簿情報の提供を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の当該名簿情報を利用して避難支援等の実施に携わる者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、当該名簿情報に係る避難行動要支援者に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

(委任)

第10条 この条例に定めるもののほか、避難行動要支援者名簿に関し必要な事項は、別に定める。

(施行日)

1 この条例は、平成27年5月1日から施行する。

(準備行為)

2 第5条に規定する名簿情報の提供に必要な準備行為は、この条例に定める施行前においても、行うことができる。

別表(第3条関係)

障がいの種別

障がいの等級

視覚障がい

1級又は2級

聴覚障がい

2級

上肢機能障がい

1級又は2級

下肢機能障がい

1級又は2級

体幹機能障がい

1級、2級又は3級

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がいのうち上肢機能障がい

1級又は2級

乳幼児期以前の非進行性の脳病変による運動機能障がいのうち移動機能障がい

1級、2級又は3級

隠岐の島町避難行動要支援者名簿に関する条例

平成27年3月18日 条例第29号

(平成27年5月1日施行)